Japanese
English
研究と報告
精神分裂病における精神病症状消退後の虚脱状態(第1報)—精神分裂病の入院治療過程から
Postpsychotic Collapse in Schizophrenia (Report 1)
三野 善央
1
,
牛島 定信
2
,
門田 一法
2
,
野中 幸保
2
,
原田 元基
2
Yoshio Mino
1
,
Sadanobu Ushijima
2
,
Kazunori Kadota
2
,
Yukiyasu Nonaka
2
,
Motoki Harada
2
1高知医科大学公衆衛生学教室
2福岡大学医学部精神医学教室
1Department of Public Health, Kochi Medical School
2Department of Psychiatry, School of Medicine, Fukuoka University
キーワード:
Postpsychotic collapse
,
Postpsychotic depression
,
Schizophrenia
,
Exhaustion of ego
,
Ego boundary
Keyword:
Postpsychotic collapse
,
Postpsychotic depression
,
Schizophrenia
,
Exhaustion of ego
,
Ego boundary
pp.1349-1359
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204254
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 精神分裂病者46名を対象に,入院治療過程の中での急性精神病症状消退後の虚脱状態について調査した。虚脱状態は82.3%(38名)に出現し,緊張型は他型に比較して短期間で立ち直っていた。
虚脱状態が出現していた38名について検討すると,虚脱状態持続期間は,治療開始後の急性症状持続期間と有意な強い正の相関を示した。また急性期平均抗精神病薬投与量と有意な弱い正の相関,発症年齢と有意な弱い負の相関を示した。
これらのことより急性精神病症状消退後の虚脱状態を精神病状態による自我の疲弊として考察した。また,この虚脱状態と欠陥状態の関係,虚脱状態の抑うつ的側面について述べ,それを自我境界の一定の修復後の未だ脆弱な状態として論じた。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.