Japanese
English
研究と報告
躁病の新診断基準一次試案による臨床試行
Clinical Practice of Primary Draft of Diagnostic Criteria for Mania prepared by the JCIDCP Committee
大井 健
1
,
中村 道彦
1
,
高橋 三郎
1
Ken Ohi
1
,
Michihiko Nakamura
1
,
Saburo Takahashi
1
1滋賀医科大学精神医学講座
1Department of Psychlatry, Shiga University of Medical Science
キーワード:
Mania
,
Primary draft of diagnostic criteria
,
DSM-Ⅲ
,
Classical diagnosis
Keyword:
Mania
,
Primary draft of diagnostic criteria
,
DSM-Ⅲ
,
Classical diagnosis
pp.1309-1318
発行日 1987年12月15日
Published Date 1987/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204436
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抄録 精神科国際診断基準研究会が作成した躁病に関する新診断基準案を93例の人院患者(躁病と確定診断されたもの78例,確定診断に至らなかったもの15例)に適用した。その結果,従来診断との間で86%の高い一致度を示した。DSM-Ⅲ診断との比較では,診断特異性において新基準案が優るが,感度の面で劣る結果となり,躁病を規定する点でより厳格であるが,狭いことが示された。病型分類では,重症型が軽症型と比較して「気分のリズム」,「自己価値観の変化」,「抑制欠如」,「誇大観念」の項目で高い出現率を有し,重症型が多彩な症状を示した。また,精神病的病像を伴う型は,Schneiderの一級症状で71%の著しく高い出現率を示し,特異的な所見であった。しかし,重症型との比較で,その他の項目に有意な差を認めなかったことから,両者において躁症状の基本的構造には差が無いものと考えられた。
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