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特集 Butyrophenone系抗精神病薬の臨床精神薬理学
Haloperidolと錐体外路性副作用
Haloperidol and Extrapyramidal Side Effects
風祭 元
1
Hajime Kazamatsuri
1
1帝京大学医学部精神科
1Department of Psychiatry, Teikyo University School of Medicine
pp.1225-1228
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203182
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I.はじめに
Haloperidol(以下Hp)によって代表されるbutyrophenone系化合物によっておこる副作用のうちで,発現頻度がもっとも高く,臨床的にも重要なものはparkinsonism,dystonia,akathisiaなどの錐体外路症状(以下EPS)であろう。
抗精神病薬によっておこるEPSは,患者にとってはかなり辛い副作用で,時には拒薬の大きい原因となることもあるので,その予防と治療は臨床的に重要であり,また,その発現に関与する機序を解明することによって抗精神病効果の本態を理解する上でさまざまな示唆を得ることができるものと考えられる。
Butyrophenone系薬剤によるEPSの発現率については,これまで無数の報告がある。たとえばわが国で行なわれた48編のbutyrophenone系薬物の臨床治験報告(open study)を要約した酒井と木下1)によれば,表1に示すようにbutyrophenoneの投与により18.2%にakathisia,24.8%にakinesia,8.9〜49.0%にparkinsonism,13.3%にdystoniaがそれぞれ認められている。
ここでは薬原性EPSに関する最近のいくつかのトピックをとりあげてみることにする。
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