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編集後記
M. H.
pp.102
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101358
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2008年4月から本誌の編集委員の1人に加えていただいた。大役を拝命していまだ半年の新米の編集委員である。医師,あるいは医学者としての力量,経験,知識,どれをとってもすべて私よりも遥かに上をいく先輩編集委員の先生方の議論を心に留めながら編集委員会に参加している。研修医の時代に戻ったようで新鮮な経験である。
学術論文といえば,駆け出しの頃は先輩に叱咤激励されて嫌々論文を書いていた。雑誌に投稿すると査読者の先生から多くの指摘を受けて一つひとつを修正し,何度も同じようなやり取りを繰り返しながら投稿を続けた。論文を書くことは自他にとって何の意味があるのか,こんなことをいつまで続けるのか,と自問自答しながらの日々であった。しかし査読者の先生の指摘は,なかには意地悪なものもあったが,多くは励みになり何より論文作成上の貴重な示唆を与えてくれるものであった。自分の書いた論文が雑誌に掲載された時にはとても嬉しかった。そして医局の先輩と,雑誌の向こうにいる目に見えぬ査読者の先生の指導を何度も受けているうちにいつの間にか論文を書くことがおもしろくなった。さらに,研究報告をすることによって医学の進歩に自分なりの貢献ができるという意義を知ることになった。本誌「精神医学」は,臨床の研究者として筆者を育ててくれた貴重な雑誌の一つである。本誌の編集委員となった今,今までの恩返しをする意味でも,投稿論文の学問的な質を少しでも上げることができるよう微力ではあるが貢献したいと考えている。そして伝統ある本誌の質を今後も維持しさらに発展できるように努めていきたい。以上が本誌の編集委員に就任するにあたっての筆者の抱負である。
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