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編集後記
M. H.
pp.930
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101989
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本号では〈座談会〉で「蘇る日本のこころの支援」を掲載した。東日本大震災を受けて急遽,企画したものであるが,編集委員の1人として改めて読み返してみて非常に読み応えのある内容に仕上がっていると感じた。各氏それぞれのお立場から災害や戦争に関連した思い出や感慨を述懐してくださっているが,それぞれのお言葉がこころに沁みる内容であった。精神科医療に携わる我々が,今回の大震災に際して,あるいは震災後の社会の中で,どのような役割を果たすべきなのかということを考えるときの礎の1つにさせていただきたいと考えている。4氏の先生方にこの場を借りてお礼を申し上げたい。
さて,「研究と報告」では,「レビー小体型認知症患者の幻視に対する心理的介入の有用性」,「有床総合病院精神科における精神科医と非精神科医による精神科時間外診療」,「コンピュータトレーニングを用いた認知機能リハビリテーション」の3題が掲載された。いずれも一昔前の精神医学関連の雑誌ではあまり考えられないようなテーマの原著論文である。しかし,認知症への心理学的理解と介入,総合病院での精神医学の実践,統合失調症者の社会復帰,と括ればきわめて今日的で重要なテーマであることは一目瞭然である。今後のさらなる実践と研究を期待したい。「短報」も嘔吐恐怖症の小児例,てんかん性笑い発作の初老期の1例,辺縁系脳炎の1例,など臨床的に重要な症例報告が並んだ。「私のカルテから」にも1例の症例報告がなされている。読者諸氏の日常診療の参考になれば幸いである。
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