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編集後記
M. H.
pp.246
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204885
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本誌の編集と直接関係することではありませんが,昨今の学会運営の切実な事情をお話しさせていただきます。今秋に参加者が1,500人規模の全国学会を主催します。学会はできるだけ全国各地で開催していくことが理想ですが,一定規模の学会になりますとどうしても大都市が中心になってしまいます。一般的に学会理事や講座担当者がいる都市を転々としながらその内の何度かを首都圏で引き受けることになります。筆者はその規模や勤務地の事情から横浜市で開催せざるを得なかったのですが,あらためて最近の5年あまりの決算書を見比べて会場費の高さに驚かされたのです。平日の3日間の運営にもかかわらず他の地方都市での開催と比較して800万円も高くつくことが分かったのです。事の重大さを自覚したのは会場を予約した3年前ですがそれからが大変です。どうしたら赤字にならないのか,慣れない算盤をはじきながら頭を悩ませる毎日が続いています。安上がりで手作りの学会と呼べば聞こえはよいですが,言葉の響きとは裏腹に,事前の準備や当日の医局員・事務方への負担を考えるとほとんどの学会が該当しません。今後当分の間は特に首都圏での主催者の多くは筆者のような悩みを抱かざるを得ない状況が続くものと予想されます。
さて久しぶりにリエゾン精神医学を2回にわたって特集で扱っています。前半の今月号では,一般身体科医療,救急医療や地域医療にはじまり緩和ケアや周産期医療など現代的なテーマとの関連まで幅広く網羅しています。「研究と報告」には小児期崩壊性障害の女児例と,せん妄の薬物療法に関する知見,短報にもたこつぼ心筋症の高齢女性の症例報告が掲載され読み応えのある内容になっています。
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