Japanese
English
特集 神経活性物質と呼吸
サブスタンスPと咳
Substance P and Cough
賈 玉霞
1
,
石沢 興太
1
,
関沢 清久
2
,
佐々木 英忠
1
Yu-Xia Jia
1
,
Kouta Ishizawa
1
,
Kiyohisa Sekizawa
2
,
Hidetada Sasaki
1
1東北大学医学部老年呼吸器内科
2筑波大学臨床医学系内科学呼吸器科
1Department of Geriatric and Respiratory Medicine, Tohoku University School of Medicine
2Department of Pulmonary Medicine, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
pp.23-29
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902406
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神経因性咳におけるサブスタンスPの役割
肺の炎症に対する神経原性コントロールの重要性が,サブスタンスPと呼ばれるタキキニン神経ペプチドの研究によって示唆されたのは30年以上前のことである1,2).大量のカプサイシン投与により感覚神経で産生するサブスタンスPを枯渇させると,タバコの煙,機械的あるいは化学的な刺激物,そして急性アレルギー反応を惹起する物質の刺激に対し肺の反応は著明に抑制された.
サブスタンスPはタキキニン神経ペプチド・ファミリーに属している11のアミノ酸残基を持ったニューロペプチドの一つであり,中枢および末梢神経系に存在している.免疫染色法で下気道の感覚神経にサブスタンスPを確認できるが,様々な生物種の気道上皮,平滑筋や血管の神経においても同様である3,4).迷走神経の逆行性電気刺激,またカプサイシンによる神経の化学刺激のいずれでも気道におけるサブスタンスPの放出が誘発される5).タバコの煙や化学物質の刺激によってもサブスタンスPが放出される6〜8).
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