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はじめに
1994年に米国国立衛生研究所(NIH)の呼吸リハビリテーションコンセンサス委員会は,呼吸リハビリテーションの新しい定義を打ち出し,“呼吸器疾患患者やその家族に対して地域社会における個人の自立と活動のレベルをできるだけ高めかつそれを維持することを目標に通常は学際的専門チームにより提供される多面的かつ持続的なサービス”とした1).1996年には米国Blue Cross/BlueShields医療諮問委員会が“呼吸リハビリテーションは妥当な技術”と声明している.呼吸リハビリテーションの意識の高まりとともに,1997年にはACCP(American College of Chest Physi—cian)とAACVPR(American Association ofCardiovascular and Pulmollary Rehabilitation)共同委員会より科学的根拠に基づく(evidellce—based)呼吸リハビリテーションガイドラインが発表された2).1998年に改訂されたAACVPRの呼吸リハビリテーションプログラムガイドライン第2版には,呼吸リハビリテーションは単に運動や教育のプログラムではなく,アセスメント,患者教育・訓練,心理社会的支援,フォローアップからなり,どの構成要素にも予防活動が組み込まれ,包括的に展開される必要があることが強調されている3).
本邦においてもガイドラインの作成が着手されるなどその重要性の認識は高まりつつあるが,学際的医療チームによる包括的プログラムを実践できる環境にある施設が決して多くないのが現状である.本稿では,COPDを対象とした包括的呼吸リハビリテーションプログラムに関して順天堂医院のプログラムの紹介も含め解説する.
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