Japanese
English
綜説
Sleep apnea syndromeと循環器疾患
Interrelation between the Sleep Apneas and the Cardiovascular Disorders
高崎 雄司
1
Yuji Takasaki
1
1日本医科大学第4内科
1The Fourth Department of Internal Medicine, Nippon Medical School Hospital
pp.257-270
発行日 2001年3月15日
Published Date 2001/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902256
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はじめに
睡眠中に上気道閉塞を繰り返す閉塞型(obstructive)の睡眠時無呼吸症候群(sleep apneasyndrome:SAS,閉塞型SAS:OSA)が,夜間ではなく昼間時の肺高血圧や高血圧,狭心症や心筋梗塞,また夜間に頻発する重篤な不整脈といった,さまざまな循環器疾患の原因になっていることは,今では周知の事実となっている.一方,何らかの原因でうっ血性心不全を伴う患者では,SASを高率に合併することも明らかとなった.特に,中枢型SAS(central SAS:CSA)の一部であるチェーン・ストークス呼吸(Cheyne—Stokes Respiration,以降ここではCSAと総称)と呼ぶ呼吸パターンは,うっ血性心不全にしばしば合併,その存在自体が病態の重篤度を表す証とされてきたものの,最近は治療対象と考えられるようになってきたのである.
いずれにしても,SASと循環器疾患は,ある時は一方が原因となるが,またある時はこの関係が逆転するといった相違はあるものの,両者には深い関連が存在することは確かである.
本稿では,現在までに明らかになった事実を,鍵となる文献を紹介しながら,1) SAS,特にOSAに基づく循環動態,2)うっ血性心不全に合併するSAS(CSAおよびOSA)の病態や治療にっいて,順を追い述べることにする.
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