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特集 新しいテクノロジ-による肺末梢病変の解析
パルスオッシレーション法による肺末梢領域の換気力学的応答
Ventiratory Response of the Peripheral Lesions of the Lungs Utilizing the Pulse Oscillation Technique
塩田 智美
1
,
藤井 充弘
1
,
植木 純
1
,
松岡 綠郎
2
,
福地 義之助
1
Satomi Shiota
1
,
Mitsuhiro Fujii
1
,
Jun Ueki
1
,
Rokuro Matsuoka
2
,
Yoshinosuke Fukuchi
1
1順天堂大学医学部呼吸器内科
2公立昭和病院呼吸器感染症科
1Department of Respiratory Medicine, Juntendo University School of Medicine
2Department of Respiratory Medicine and Infections Disease, Showa General Hospital
pp.255-261
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100639
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はじめに
近年,慢性閉塞性肺疾患(COPD)は末梢細気管支領域の炎症が病変の主体であることが指摘されることなどから1),肺末梢領域の病態解析が着目されている.オッシレーション法により測定する呼吸インピーダンス:impedanceは,厳密な意味での抵抗:resistanceとは異なり,呼吸運動を妨げるより多くの要素(中枢気道では空気の通りにくさ,より末梢の肺胞領域においては膨らみにくさなどに作用する要素)を考慮して評価する.すなわち,換気力学的特性に不均等を生じる要素として,気道特性の他,より末梢の肺実質(肺胞・間質)や胸郭の特性を区別して評価できる点が本法の大きな特徴である.
解析面では従来の抵抗(気道抵抗,肺抵抗)に加え,生理機能の面からは解析が困難であった末梢肺病変を解析し,結果として気道から末梢肺に至るより包括的,特異的な換気力学的解析を実現できる可能性を有する.
本稿では“オッシレーション法”“インピーダンス”などの日常診療の場であまりなじみのない概念について,その原理,方法,末梢肺野領域に着目した臨床検討に至る知見についてわかりやすさを主眼に紹介する.
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