Japanese
English
特集 遠隔リハビリテーション治療・支援のさらなる展開
遠隔呼吸リハビリテーションとセルフマネジメント支援
Tele-rehabilitation and telehealth-based self-management support for patients with respiratory diseases
植木 純
1,2
,
野村 菜摘
1,3
,
森沢 知之
4
Jun Ueki
1,2
,
Natsumi Nomura
1,3
,
Tomoyuki Morisawa
4
1順天堂大学大学院医療看護学研究科臨床病態学分野呼吸器系
2順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科
3順天堂大学医療看護学部基礎看護学
4順天堂大学保健医療学部理学療法学科
1Clinical Research Unit of Respiratory Pathophysiology, Graduate School of Health Care and Nursing, Juntendo University
2Department of Respiratory Medicine, Graduate School of Medicine, Juntendo University
3Fundamental Nursing, Faculty of Health Care and Nursing, Juntendo University
4Department of Physical Therapy, Faculty of Health Science, Juntendo University
キーワード:
遠隔呼吸リハビリテーション
,
セルフマネジメント支援
,
モバイルヘルス
,
COPD
Keyword:
遠隔呼吸リハビリテーション
,
セルフマネジメント支援
,
モバイルヘルス
,
COPD
pp.263-268
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202770
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はじめに
呼吸リハビリテーションへのアクセスを改善させ,継続した介入を容易にする新しいシステム構築への取り組みとして,遠隔呼吸リハビリテーションがある.呼吸リハビリテーションは有益性のエビデンスが構築された治療介入であり,北米では呼吸リハビリテーションを実施した慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)患者の増悪入院6か月以内の再入院は1.9%にとどまるとされる.一方で,呼吸リハビリテーションの実施患者数は米国メディケア受益者の4%以下,カナダでは1%以下である1).わが国でも急性期病院における外来呼吸リハビリテーションは限られているのが現状である.
遠隔呼吸リハビリテーションに関する論文数はinformation and communication technology(ICT)の普及に伴い2017年頃より増加傾向を示し,COVID-19パンデミックによりリハビリテーション部門が一次的に閉鎖される施設が増えてから急速に増加した(図).症例数は限られるが,医療施設で実施されるプログラムにほぼ相当する効果が報告されている2).本稿では,遠隔呼吸リハビリテーションを中心に,ICTを導入したセルフマネジメント支援を含めて解説する.
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