Japanese
English
特集 血圧の調節機構を再考する
腎機能障害における血圧調節機序
Mechanism of Blood Pressure Control in Renal Insufficiency
小山 勝志
1
,
木村 玄次郎
1
Katsushi Koyama
1
,
Genjiro Kimura
1
1名古屋市立大学医学部第三内科
1Third Department of Internal Medicine, Nagoya City University Medical School
pp.339-345
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902070
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
腎機能障害が進行すると高血圧の合併頻度が高くなることは周知の事実である.また,二次性高血圧では腎疾患によるものが一番多い.一方,高血圧は腎障害を起こし,一旦腎機能障害が起きると,高血圧が増悪するという悪循環が生じる.また,腎臓が高血圧の標的としてのみならず,成因臓器として重要であることは,遺伝的高血圧ラットと正常ラットの交叉腎移植1)や腎移植の臨床成績からも明らかである.
高血圧と腎の関係に極めて重要な役割を果たしているのが糸球体血行動態である.傍糸球体装置(Juxtaglomerular apparatus:JGA)はレニン分泌を調節し,レニン・アンギオテンシン系の活性を調節するのみならず輸出入細動脈の血管抵抗をも調節し,糸球体血行動態に重要な役割を果たす.
本稿では腎機能障害時における糸球体血行動態の特徴を述べるとともに,その調節因子について検討してみたい.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.