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I.序論
調節の機序については過去一世紀以上に亘つて各種の仮説が呈出され論戦が続けられているのであるが最も有力とされ多くの学者によつて支持されているのはHelmholtzを始祖とするいわゆる弛緩学説でありFinchamはこれに水晶体被膜の厚さと弾性を付加修正していわゆる被膜学説を主張している。この仮説に対してTscherningの緊張学説の反論があるがチン氏帯の緊張によつて水晶体の変形を来すということは首肯し難いところであつてこのような無理な反対論が弛緩学説を却つて助長したかに思われる。一方Pflugkは調節時水晶体の形が前円錐状を示すことを認めFinchamをして被膜の厚薄によるという苦しい説明をさせる動機を作つたのであるがPflugkの主張するところのチン氏帯の伸展性は水晶体被膜のそれより遙かに大であるからチン氏帯の牽引力のみを以て水晶体を扁平にすることは不可能であるという考えは首肯すべきものであろう。
私1)2)は調節静止状態における水晶体の本来の形は扁平なものでありこの扁平な形はチン氏帯の牽引によつて強制的に保たれているものではないという主張を呈出し,これを裏付ける実験的臨床的根拠を積み重ねて来たものである。
Grounds are given for questioning the theory that accommodation is brought about by ela-stic thickening of the crystalline lens following ciliary contraction and relaxation of zonule of Zinn. It is probable that some kind of ana-logous procedure is present in the mechanism of accommodation between mammalian andavian eyes. Direct observations of human ciliary muscle during accommodative efforts as well as the crystalline lens in various pa-thological states indicate that a positive pre-ssure upon the lens is necessary to cause its deformation or thickening during accommoda-tion.
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