Japanese
English
綜説
血圧調節機構
Mechanism of blood pressure regulation
入内島 十郎
1
Juro Iriuchijina
1
1東京大学医学部生理学教室
1Dept. of Physiology, Faculty of Med. Univ. of Tokyo
pp.748-753
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202946
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
哺乳動物の血圧は単に毛細血管に血流を流す目的には高過ぎる。毛細管の上流にある抵抗血管を通して血流を流さねばならないのでこのように高いのである。しかし,このような抵抗の存在は血圧,血流の調節のてめにどうしても必要なのである。
血圧は血管抵抗と心拍出量によって決定されるが,特に前者が重要で,これは抵抗血管の平滑筋の活動状態によってきまる。これを調節する機構は神経やホルモンによる遠隔性のものと,局所性のものとがある。
種々の血圧調節機構があるが,そのうち神経性のものは速やかに作動し,その他のものは反応がおそい。これらの機構の血圧を復元する能力はそれぞれの利得によってあらわすことができる。血圧調節機構のうち腎・体液機構は無限大の利得をもち,血圧レベルは最終的には腎の機能によって決定されるといわれるが,なお検討の余地があるように思われる。
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.