巻頭言
肺気腫症とのつきあい
𠮷田 稔
1
1福岡大学医学部第二内科
pp.325
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901667
- 有料閲覧
- 文献概要
肺気腫という言葉は,元来ギリシャ語の膨らますという意味の言葉に由来すると言われ,気道の閉塞が原因となる疾患のあることは当時から知られていたようである.
今日言う肺気腫を最初に記載したのはLaen—nec(1819)である.そして20世紀に入り,Orsosは肺の過膨張や加齢による肺の弾性線維の萎縮と異なり,肺気腫症が肺実質の弾性線維の破壊により発症することを明らかにした.その後,1950年代に入り肺気腫の病理形態的な基本型が整理され,今日に至ったと言える.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.