Japanese
English
特集 KチャネルとQT延長症候群
Kチャネル阻害薬と抗不整脈作用
Anti-arrhythmic Effects of K Channel Blockers
萩原 誠久
1
,
梶本 克也
1
,
坂井 理映子
1
,
笠貫 宏
1
,
細田 瑳一
1
Nobuhisa Hagiwara
1
,
Katsuya Kajimoto
1
,
Rieko Sakai
1
,
Hiroshi Kasanuki
1
,
Saichi Hosoda
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Tokyo Women's Medical College, The Heart Institute of Japan
pp.137-143
発行日 1997年2月15日
Published Date 1997/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901416
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
心筋細胞の活動電位は種々の膜イオンチャネルにより構成されている.活動電位持続時間は内向き電流と外向き電流とのバランスで構成されており,特に心室筋のプラトー相レベルでは膜の電気的抵抗が高いため僅かな電流の変化でも活動電位幅は大きく変動する.内向き電流系として重要なものはNaやCa電流であり,外向き電流として膜電位を再分極させるものとしては遅延整流性K電流や一過性外向きK電流が重要視されている.最近開発されているKチャネル阻害薬はこれらのK電流を抑制することにより再分極が遅延し,不応期が延長される結果,抗不整脈作用を示すことが予測される.Kチャネル阻害薬の代表的なものはVaughan-Williams分類のなかでIII群の抗不整脈薬として知られている,E4031,sotalol,amiodaroneなどである.また,I群薬のなかでもIa群のquinidine, disopyramide,procainamide,Ic群のflecainideなどもKチャネル阻害作用を有することが知られている.
本稿ではヒト心筋細胞におけるKチャネルの分布および,これらのKチャネルに対するKチャネル阻害薬の作用について解説する.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.