特集 —クリニカル・クエスチョンで学ぶ—循環器薬の使い方
不整脈患者に使用する薬
不整脈治療薬のNaチャネル遮断薬作用,Kチャネル遮断薬作用って何ですか? どのような副作用がありますか?
牧原 優
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター循環器内科
pp.436-440
発行日 2018年3月10日
Published Date 2018/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225379
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抗不整脈薬によるイオンチャネルの遮断作用を理解するためには,心筋細胞の電気活動について知る必要がある.図1は,心筋(心室筋)細胞個々の電気活動を示した活動電位波形と呼ばれるものである.
きわめて簡略化してあるため詳細は成書を参照いただきたいが,心筋細胞の活動電位波形は第0〜4相に分けられる.心筋細胞は,Na-Kポンプ,Na-Caポンプ,Kイオンの移動により静止膜電位と呼ばれる負電位で電気的平衡状態となっており,Naは細胞外に,Kは細胞内に多い.第0相でNaチャネルが開放されると,Naイオンが細胞内に流入し,脱分極を起こす.次に,一過性にKチャネルが開放され第1相となった後,Caチャネルを介してCa2+が流入することで,第2相のプラトー相が形成される.さらに,第3相でCaチャネルの閉鎖とKチャネルの開放により再分極が進み,第4相で静止膜電位に戻る.活動電位波形は図1のように心電図波形に対応する.
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