特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998
Ⅱ.チャネルに作用する薬物
K+チャネル
赤須 崇
1
Takashi Akasu
1
1久留米大学医学部生理学第二講座
pp.430-432
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901629
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K+チャネルは静止電位や活動電位を決定することで細胞の興奮性を制御するのみならず,細胞の容積の調節,ホルモンや伝達物質の放出にも貢献する。K+チャネルには膜電位によって制御されるものや,G蛋白を介してホルモンや伝達物質によって制御されるものがある。これらの調節機構はシナプス伝達の効率を変えたり,虚血,低酸素症に対する細胞の防御に役立っている。遺伝子のクローニング技術の進歩によってK+チャネルは6回膜貫通型(KV),2回膜貫通型(KIR),1回膜貫通型(minKもしくはISK)に分類され,さらに2リピート型のものまでみつかっている。本稿では,K+チャネルの構造,機能の多様性と類似性,およびチャネルに作用する物質について述べる。尚,分子生物学的アプローチについては最近の総説を参照していただきたい1,2)。
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