Japanese
English
解説
心不全と不整脈—伸展活性化チャネルの意義
Stretch-activated Ion Channels in the Heart
萩原 誠久
1
,
松田 直樹
1
,
坂井 理映子
1
,
庄田 守男
1
,
笠貫 宏
1
,
細田 瑳一
1
Nobuhisa Hagiwara
1
,
Naoki Matsuda
1
,
Rieko Sakai
1
,
Morio Shoda
1
,
Hiroshi Kasanuki
1
,
Saichi Hosoda
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所内科
1Department of Internal Medicine, Tokyo Women's Medical College, The Heart Institute of Japan
pp.343-348
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901034
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
心筋細胞は一心拍毎に収縮,弛緩を繰り返す組織であり,生理的条件下においても細胞膜の伸展刺激による影響を受けやすい組織である.また,心不全などの様々な病態時における圧負荷や容量負荷などに伴う機械的伸展刺激は不整脈の誘因にもなることが報告されている.膜伸展により活性化されるイオンチャネル(Stretch activatedchannel, SA-channel)は種々の細胞に認められ,膜の伸展に伴う情報伝達系に重要な役割を果していることが示唆されている.SA-channelは,その多くがNaやKなどの陽イオンを同等に透過する非特異的陽イオンチャネルであるが,心筋細胞には陰イオンをも透過し得るSA-channelの存在が報告されるため,本稿では,心筋細胞におけるこれらのSA-channelの特徴および機能的な役割について解説する.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.