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特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅱ.チャネルに作用する薬物
K-チャネル
K-Channel
赤須 崇
1
,
時政 孝行
1
Takashi Akasu
1
,
Takayuki Tokimasa
1
1久留米大学医学部生理学第二講座
pp.420-423
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900239
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K-チャネルはNa-チャネルと並んでもっとも普遍的なイオンチャネルであるが,その多岐にわたる性質の違いから,現在少なくとも10種類に近い数に分類されており,それぞれのタイプにはさらにいくつかのサブタイプが存在する。これらのK-チャネルの薬理学的性質の同定には,天然毒素の発見や合成阻害剤および活性化剤の開発によるところが大である。これに加えて,近年の研究方法の著しい発展は単一イオンチャネル電流の測定を可能とし,その結果,電気生理学的性質の面からもK-チャネルの多様性を論じることが可能になってきた1,2)。
最近のK-チャネルについての話題の一つは,伝達物質によるチャネルの制御と,受容体とチャネルの間にあって情報伝達(シグナル・トランスダクション)を行う種々の細胞内(もしくは膜内)の代謝過程の関わり合いであろう。とくに,GTP結合蛋白を介したアデニレートサイクレースやイノシトールリン酸代謝が,K-チャネルを制御する機構の一つとして注目されている3)。ここでは主に神経のK-チャネルに直接作用する薬物に焦点をあてて,最近の研究成果を紹介するとともに,伝達物質の作用についても最近の知見をまとめてみたい。
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