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特集 不整脈へのカテーテルアブレーション療法
房室結節性頻拍へのカテーテルアブレーション法の適応と成績
Radiofrequency Catheter Ablation for AV Nodal Reentry:Clinical outcome and indication
大西 哲
1
,
笠貫 宏
1
,
庄田 守男
1
,
松田 直樹
1
,
和田 義之
1
,
梶本 克也
1
,
細田 瑳一
1
Satoshi Ohnishi
1
,
Hiroshi Kasanuki
1
,
Morio Shoda
1
,
Naoki Matsuda
1
,
Yoshiyuki Wada
1
,
Katsuya Kajimoto
1
,
Saichi Hosoda
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Tokyo Women's Medical College The Heart Institute of Japan
pp.1137-1146
発行日 1996年11月15日
Published Date 1996/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901363
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はじめに
房室結節リエントリー性頻拍(atrioventricular nodal reentrant tachycardia:AVNRT)は発作性上室頻拍の約40〜50%を占める.多くは基礎心疾患を伴わず生命予後は良好であり,副伝導路を介する房室回帰性頻拍(atrioventricular reen—trant tachycardia:AVRT)に比較して心拍数も遅く症状も軽いが,時にAdams-Stokes発作を惹起する.重篤な基礎心疾患や心機能低下を伴う場合には,心不全や狭心症を誘発する.したがって,その治療法の選択にあたっては,症状の重症度のみならず基礎心疾患の重症度を念頭において治療法を選択する必要がある.
AVNRTに対する治療法としては,薬物療法,抗頻拍ペーシング,手術療法,カテーテルアブレーションなどがある.近年,slow pathwayの高周波(RF)アブレーションの成績が著しく向上し,AVNRTに対するカテーテルアブレーションはほぼ確立された治療法となり,その適応も医学的適応以外にQOL拡大を目的とした社会的適応の範囲にまで拡大した1).しかし,急速に発展した治療法であり,今後さらにその有効性と安全性は向上することが期待されるとともに,将来予測しない合併症が起こる可能性も完全には否定できない.また,房室接合部の解剖と機能が現在のところ必ずしも十分には解明されていない.したがって,AVNRTに対するRFアブレーションの適応は個々の症例に応じて慎重に検討する必要がある.
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