Japanese
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綜説
心筋症の病態—最近の知見
Cardiomyopathies:An overview
河村 慧四郎
1
Keishiro Kawamura
1
1大阪医科大学第3内科
1Department of Internal Medicine III, Osaka Medical College
pp.161-167
発行日 1996年2月15日
Published Date 1996/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901197
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はじめに
心筋症は病因未知の心筋疾患と定義され,肥大型,拡張型,拘束型の3病型に分類されてきた.この定義と分類1)は,1980年にWHO-ISFCの委員会で提唱され心臓疾患の診療だけでなく,病理学の領域でも現在広く用いられている。しかし,近年著しい進歩を遂げた分子生物学,分子遺伝学,免疫学などの先端技術の導入・駆使によりこれまで病因未知とされた心筋症の原因と成因についても新知見がもたらされるようになり,これらの状況を背景にして最近,WHO・ISFCの心筋症委員会は1980年版の定義と分類を見直し改訂する作業に取りくんでいるのが現状である.
本稿では,心筋症の病態のうち特に成因,また一部,治療に関する最近の知見,また近年注目されているミトコンドリア心筋症や右室異形成(右室心筋症,不整脈原性右室異形成)について概説する.
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