心筋症 診断の進歩と治療のブレークスルー2009
心筋症の原因、病態生理はここまでわかった 心筋症原因遺伝子の最新知見
木村 彰方
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所 分子病態分野
キーワード:
Myosins
,
心筋疾患
,
変異
,
Myosin-Binding Protein C
,
病態生理
,
MYH7 Protein
Keyword:
Myosins
,
Mutation
,
Cardiomyopathies
,
Myosin-Binding Protein C
,
MYH7 Protein, Human
pp.426-432
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009118819
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原因不明の心筋症として定義されていた特発性心筋症には種々の臨床病型があるが、家族性発症例や一部の孤発例で、その原因がサルコメアやZ帯を構成する要素の遺伝子異常にあることが判明している。これまでに判明した原因遺伝子とその病因変異は多種多様であり、臨床病型と原因遺伝子は1:1対応にないなど、心筋症は遺伝的に不均一な疾患である。しかしながら、サルコメア異常やZ帯異常についていえば、肥大型心筋症(HCM)病因変異は心筋収縮のCa感受性、ストレッチ反応を亢進し、拡張型心筋症(DCM)病因変異は逆にCa感受性、ストレッチ反応を低下することから、HCMとDCMは逆向きの機能異常に起因する病態であると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2009