Japanese
English
Bedside Teaching
肥大型心筋症—最近の考え方
Recent advances in hypertrophic cardiomyopathy
戸嶋 裕徳
1
,
古賀 義則
1
,
板家 守夫
1
Hironori Toshima
1
,
Yoshinori Koga
1
,
Morio Itaya
1
1久留米大学医学部第三内科
1The 3rd Department of Internal Medicine, Kurume University, School of Medicine
pp.789-795
発行日 1984年8月15日
Published Date 1984/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204491
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
肥大型心筋症(HCM)は原因不明の心筋肥大を来す疾患であるが,その多くは遺伝的素因に基づき発症する少・青年期の疾患で,特徴的な病態は特異な中隔肥厚(ASH),左室拡張特性の異常,および閉塞性例にみられる左室流出路狭窄で,左室収縮能はむしろ亢進していると考えられてきた。しかし最近の心エコー図法,冠動脈造影法等の進歩により,本症は(1)高齢者にも少なくなく,(2)高血圧の関与が考えられる例や,(3)心尖部の特異的な肥厚を有する例などが見られることが明らかとなってきた。また心機能的にも左心収縮能や運動耐容能が低下した例も少なくないことが判明しつつあり,治療面でも従来のβ遮断剤に加えてCa拮抗剤や抗不整脈剤が登場した。したがって本稿ではこれらの肥大型心筋症の最近のトピックスにつき簡単に概説したい。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.