Japanese
English
特集 循環器疾患と遺伝子
心筋肥大と遺伝子
Cardiac Hypertrophy and Gene Expression
矢崎 義雄
1
Yoshio Yazaki
1
1東京大学医学部第三内科
1The 3rd Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
pp.207-211
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900233
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心臓に負荷が加わると,心筋は肥大を形成して収縮力を増大させ,心機能を保持するように適応する.心筋の肥大形成は,まず心筋蛋白の生合成の亢進として始まり,収縮の最小単位である筋原線維の数が増加することによって得られる.したがって,心筋蛋白をコードする遺伝子が,外から加わった負荷によりどのように発現調節が行われ,蛋白の生合成を亢進させるか,そのメカニズムが明らかにされれば,心筋の負荷に対する適応現象である心肥大形成の発生機序が基礎から解明されるものと期待される.最近の進歩した遺伝子工学の導入により,遺伝子の発現調節を直接検討することが可能となり,この領域の知見が飛躍的に進展するところとなった.そこで,心筋肥大と遺伝子について,とくに負荷による心筋遺伝子の発現調節機構を焦点に,われわれの研究室で得られた知見を中心に解説する.
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