Japanese
English
特集 心筋の肥大・拡張
心筋の肥大・拡張の診断
Diagnosis of left and right ventricular hypertrophy and dilatation
増田 善昭
1
Yoshiaki Masuda
1
1千葉大学第三内科
1The 3rd Department of Internal Medicine, Chiba University School of Medicine
pp.735-742
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205087
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.身体所見
心肥九拡張の最も簡単な診断法は心拍動の検出である。正常者の心尖拍動は第5肋間眺の左鎖骨中線より内側に存在し,視診,触診で,軽い叩くような短時間の外方運動として認められる。左室が拡大するにつれ,心尖拍動は左下方へ向かい,胸壁に左室壁が接近するため,より広い範囲で触れるようになる。また,左室肥大に際しては,心尖拍動は正常より強く,長時間外方運動を維持し,拾起性拍動となる。ほかに心尖拍動のA波は左房収縮と関係し,左室拡張末期圧が上昇する例では大となり,2峰性の拍動となる。
心尖拍動以外の心拍動としては冶室肥大,拡大例で左第4肋間,胸骨左縁の拍動の増強が認められ,心臓瘤では左室側方の広範な外方運動が生ずる。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.