Japanese
English
特集 心筋の肥大・拡張
心筋肥大の悪化と改善
Deteriolation and improvement of Cardiac hypertrophy
木全 心一
1
,
川名 正敏
1
,
平 敦子
1
,
石塚 尚子
1
,
矢崎 義雄
2
,
土持 英嗣
2
,
小柳 仁
3
,
橋本 明政
1
,
広沢 弘七郎
1
Shin-ichi Kimata
1
,
Masatoshi Kawana
1
,
Atsuko Taira
1
,
Hisako Ishizuka
1
,
Yoshio Yazaki
2
,
Hidetsugu Tsuchimochi
2
,
Hitoshi Koyanagi
3
,
Akimasa Hashimoto
1
,
Koshichiro Hirosawa
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所内科
2東京大学第三内科
3東京女子医科大学日本心臓血圧研究所外科
1The Department of Medicine, The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
2The Third Department of Medicine, University of Tokyo
3The Department of Surgery, The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.723-733
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205086
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心不全を考える時,心筋不全(myocardial failure),心不全(heart failure),循環不全(circulatory failure)の三つのレベルに分けて考えるようになってきた。拡張型心筋症の初期は,心室の収縮性が著明に低下して心筋不全ではあるが,全身的には他の代償機転が働いてNYHA I度で,心不全,循環不全とは言えない時期がある。一方,感染性心内膜炎による弁破壊によって生じた急性の大動脈弁閉塞不全で,強度の左心不全にもかかわらず,左室の収縮性が保たれ心筋不全でない時期がある。このように異なったレベルでは変化が一致しないので,本稿の論を進めるにあたって,どのレベルでの議論であるのかを明確にしながら話を進めないと混乱を生ずる。
心不全に対する代償機転として,Frank-Starlingの法則,catecholamine,心室の肥大と拡張があげられている。この内,Frank-Starlingの法則は,心室の収縮性の問題もあるが,末梢循環との相互関係で成立している法則であるし,catecholamineも心室,末梢循環の両者に作用する。
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