Japanese
English
特集 スタチン投与後のレジデュアル・リスク
炎症を標的とした介入のあり方
Anti-inflammatory Strategies for Preventing Cardiovascular Events
島田 和典
1
,
門口 智泰
1
,
Shahi Hamad Al
1
,
塩澤 知之
1
Kazunori Shimada
1
,
Tomoyasu Kadoguchi
1
,
Hamad Al Shahi
1
,
Tomoyuki Shiozawa
1
1順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学
1Department of Cardiovascular Medicine, Juntendo University Graduate School of Medicine
pp.833-839
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205779
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はじめに
心血管疾患の一次および二次予防における“残存リスク”に対する認識が高まっている.3-hydroxy-3-methyglutaryl coenzyme A(HMG-CoA)還元酵素阻害薬(スタチン)による低比重リポ蛋白(low-density lipoprotein;LDL)コレステロール低下療法は,冠動脈疾患患者や動脈硬化リスクを有する一次予防患者に対して,心血管疾患の発症抑制のみならず全死亡のリスク低下をもたらした.しかし,その抑制率は20〜40%程度であり,多くの症例が“残存リスク”を有し,それらに対する新たな取り組みが必要である.その新たな介入策として重要なターゲットが,“炎症”に対するアプローチである.本稿では,心血管疾患の発症や進展における炎症の役割,炎症制御による新たな心血管疾患治療法の可能性について,近年臨床応用されている生物学的製剤も含めた抗炎症治療薬の臨床的効果も含め概説する.
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