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Bedside Teaching
エイコサペンタエン酸/アラキドン酸(EPA/AA)比
Eicosapentaenoic Acid/Arachidonic Acid Ratio(EPA/AA ratio)
島田 和典
1
Kazunori Shimada
1
1順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学
1Department of Cardiovascular Medicine, Juntendo University Graduate School of Medicine
pp.583-591
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102500
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はじめに
心血管疾患と脂肪酸との関連が注目されている.その最大の理由の一つは,心血管疾患の一次および二次予防の“残存リスク”に対する認識の高まりである.スタチンによるLDLコレステロール低下療法は,冠動脈疾患患者や動脈硬化リスクを有する一次予防患者に対して,心血管疾患の発症抑制のみならず全死亡のリスク低下をもたらすことが明らかとなった.しかし,その抑制率は20~30%程度であり,多くの症例が“残存リスク”を有し,それらに対する新たな取り組みが必要となっている(図1)1).その新たな介入の一つが,脂質の“質”に対するアプローチである.本稿では,脂肪酸の種類,その代謝過程,代謝物の生体における役割,さらにエイコサペンタエン酸(EPA)とアラキドン酸(AA)に焦点を当て,新たな心血管疾患のリスクマーカーとして注目されているEPA/AA比測定の意義について概説する.
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