Japanese
English
綜説
高感度CRPと心血管病のリスク
High Sensitivity C-reactive Protein for the Prediction of Cardiovascular Disease
山下 晴世
1
,
島田 和典
1
,
代田 浩之
1
Haruyo Yamashita
1
,
Kazunori Shimada
1
,
Hiroyuki Daida
1
1順天堂大学医学部循環器内科
1Department of Cardiology, Juntendo University School of Medicine
pp.929-936
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100362
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
冠動脈疾患の古典的リスクファクターには,性別・年齢・糖尿病・喫煙・高LDLコレステロール血症・低HDLコレステロール血症および肥満などがある.冠動脈疾患発症のリスクは,これらの因子からFramingham ScoreやPROCAM Scoreを算出することにより,ある程度予測可能である.しかし,その後の研究により,心筋梗塞症の25~50%でこれらの因子を必ずしも有さない症例が存在することが明らかとなり,新規のリスクファクターの存在が示唆され,様々な検討が行われるようになった1).
一方,動脈硬化は動脈壁における慢性炎症であり,種々の炎症関連物質が冠動脈疾患患者の血中で上昇し,動脈硬化の発症や進展に深く関与していることが明らかにされている2~4).さらに,炎症関連物質のなかでも冠動脈疾患が発症する以前から血中で上昇するものが報告され,冠動脈疾患,特に心筋梗塞発症を予測する因子となりうることが期待されている.そのなかでも最もエビデンスがあり注目されている炎症の指標の一つがC-reactive protein(CRP)である.
本稿では,CRPと心血管病のリスクについて,これまでの知見を踏まえてまとめてみた.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.