Japanese
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特集 認知症の訪問作業療法
認知症の人のリハビリテーションにおける作業療法介入の効果とその介入のあり方
Effectiveness of occupational therapy interventions in the rehabilitation of patients with dementia and how to proceed
山口 智晴
1,3
,
村井 千賀
2,3
Tomoharu Yamaguchi
1,3
,
Chiga Murai
2,3
1群馬医療福祉大学
2石川県立こころの病院
3日本作業療法士協会
pp.442-447
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590050442
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Key Questions
Q1:認知症の人のリハビリテーションとは?
Q2:認知症の人のリハビリテーションの効果は?
Q3:認知症基本法を踏まえた今後の展望は?
認知症と社会構造の変化
厚生労働省の研究班が2024年(令和6年)に公表したところによると,わが国では2025年(令和7年)に認知症の人が471万6,000人,軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)の人が564万3,000人と推計され1),両者で約1,036万人となる.この1,000万人を超える人数は,前回2012年(平成24年)調査の推計値(認知症者数675万人)よりは少なかったものの,2024年度の全国の小学校在籍者数594万2,000人と中学校在籍者数314万1,000人を合わせた義務教育を受ける児童数約908万人2)と比べても多い.そして,独居の高齢者は今後も増え続けることが予測されている(図 1)3).
つまり,認知機能が低下しつつも一人で自立生活を送る高齢者,または,認知機能低下により生活の自立が困難となる高齢者が増え,その数は義務教育を受ける子どもたちよりも多い.このような社会構造の変化から,認知症またはMCIになっても住み慣れた地域で可能な限り自立した生活を継続する仕組みづくりが求められている.

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