Japanese
English
綜説
気道上皮細胞の機能—気道過敏性との関わりから
Airway epithelial function:its role in development of airway hyperreactivity
棟方 充
1
,
川上 義和
1
Mitsuru Munakata
1
,
Yoshikazu Kawakami
1
1北海道大学医学部第一内科
1First Department of Medicine, School of Medlcine, Hokkaido University
pp.590-601
発行日 1989年6月15日
Published Date 1989/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205487
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はじめに
肺は酸素の摂取,二酸化炭素の排泄のために大気を呼吸する必要があり,気道はての大気を肺胞まで導く導管としての役割を担っている。したがって気道上皮は生体が外界と接する場としての皮膚,その他の粘膜と比べても格段に外界との接触機会が多いと言える。このため気道上皮には生体の内部環境を維持するための機能や外界からの種々の刺激に対する防御的機能の一端を担うことが期待される。また外界からの刺激,異物などに対する生体反応の初発部位となることが考えられ,この気道上皮の機能が種々の呼吸器疾患を考える上で一つの鍵になるであろうと思われる。これまで知られている気道上皮の機能は,透過性障壁としての機能,イオン交換機能,物質代謝機能,粘液産生機能,繊毛運動機能,等々多岐に及ぶ。本稿では特に,気管支喘息の中心的病態である気道過敏性の発現との関連からみた気道上皮機能に焦点を絞り,現時点までの研究状況の把握と今後の展望を試みたい。
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