Japanese
English
綜説
PAFと疾患
Platelet-activating factor and disease
牧野 荘平
1
Sohei Makino
1
1獨協医科大学病院アレルギー内科
1Department of Internal Medicine, Dokkyo University School of Medicine
pp.118-126
発行日 1989年2月15日
Published Date 1989/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205415
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はじめに
1972年Benvenisteらは感作されたウサギ好塩基球を抗原でチャレンジすると,培養液中に血小板を凝集,活性化させる因子が遊離することを見いだして,血小板活性化因子,Platelet-activating factor, PAF,と名づけた。抽出されたPAFは血小板活性化以外に多くの生物活性,すなわち,血圧低下,平滑筋収縮,気道収縮,好中球・好酸球の遊走・活性化,血管透過性亢進などがある。有でに多くのPAFに関する総説があるが本文は主としてPAFと呼吸器,循環器の生理機能,病態について述べる1〜5)。
PAFはロイコトリエン,プロスタグランジン等とともに,脂質メディエーター,Lipid mediatorの1っである。脂質メディエーターの語は,細胞膜リン脂質の代謝物であるために与えられている。ヒスタミンが肥満細胞,好塩基球などの特定の細胞に存在しているのに対して,脂質メディエーターはアレルギー反応,炎症に関与する多様な細胞から遊離し,種々の疾患,病態に関与する。また,PAFは腎髄質でも産生され,腎・循環機能に関与している。
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