特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
腫瘍マーカー
消化器系
AFP(α-フェトプロテイン)とAFP-L3分画
塩田 淳朗
1
,
森山 光彦
1
1日本大学医学部内科学講座消化器・肝臓内科
pp.496-497
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101879
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
AFP(α-fetoprotein)は代表的な癌胎児性抗原で,分子量約65,000の糖蛋白である.胎児期に肝と卵黄囊で産生され,出生以降は産生されない.したがって,睾丸(精巣)や卵巣の胎児性癌,妊娠中などでも高値を呈する.
小児では胎児性癌で高値を呈するため,診断や経過観察に利用される.また,胃や膵などの消化器系癌で高値となる場合がある.妊娠中母体での血清AFPレベルは300ng/ml前後まで上昇し,胎児の臍帯血清中AFPレベルは10,000~100,000ng/mlと高値を示す.出生後は数カ月で成人レベルに低下する.
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