検査ファイル 項目
レクチン親和性AFP
坂本 直子
1
1スペシアル レファレンス ラボラトリー
pp.964-965
発行日 1988年7月1日
Published Date 1988/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204658
- 有料閲覧
- 文献概要
現在AFPの測定に使用されている抗ヒトAFP抗体はいずれも,蛋白部分をエピトープとしたものである.しかし,AFPは糖鎖部分にきわめて特異的な癌性変化を起こすため,蛋白部分の測定だけでは難しかった肝細胞癌の早期診断3)や,肝細胞癌と転移性肝癌,ヨークサック腫瘍などとの鑑別診断に,血中AFP糖鎖の解析が有用であると報告されている.
このAFP糖鎖の構造変化はレクチンを用いて分離することが可能であり,血中のレクチン親和性AFPの測定法として,アフィニティークロマトグラフィー法や交差免疫電気泳動法などの方法が通常行われている.私たちは分離能,再現性,感度の点から前者のアフィニティークロマトグラフィー法をルーチン検査に採用しており,以下,主にこの方法を用いたレクチン親和性AFPの検査について述べる.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.