Japanese
English
綜説
心臓病患者の性生活
Sexual life in patients with heart disease
長谷川 武志
1
,
井上 幸一
1
,
新谷 博一
1
Takeshi Hasegawa
1
,
Kouichi Inoue
1
,
Hirokazu Niitani
1
1昭和大学第三内科
1The 3rd Department of Internal Medicine, Showa University School of Medicine
pp.587-594
発行日 1986年6月15日
Published Date 1986/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204878
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
本邦では心疾患の死亡率は増加傾向を示し,虚血性心疾患の罹病数も増加しており,また,発症の若年化も認められる。狭心症や心筋梗塞に罹患後社会活動に復帰し,通常の勤務を行っている人も沢山おり,また,家庭生活も円満に過ごしている。教室の報告でも1),入院中リハビリテーションを終了した比較的若年の心筋梗塞患者の累積生存率はnormal survivalと比較してほぼ変わりない成績である。単に患者が長生きするだけでなく,身体的に,精神的に可能なかぎり,健康な人と同様に過ごすことができることが,リハビリテーション医学の目的である。このように社会的活動を行っている患者では,性生活も日常生活の一つとして重要な問題となってくる。しかし,本邦ではこの問題は医師と患者の双方にとって取り扱いにくい問題で,あまり論じられなかった。心臓病患者の性を扱った著書として,「心臓と性」(Scheingold,Wagner著,広沢弘七郎監訳)2)などが出版され,徐々に認識が広まりつつある。
本稿では,心臓病患者,特に虚血性心疾患の性生活について,文献的に考察し著者の経験についても述べる。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.