今月の主題 心筋梗塞のハイライト
予後
CCUにおける心筋梗塞の経過
長谷川 貢
1
,
小林 正樹
1
,
新谷 博一
1
Mitsugu Hasegawa
1
,
Masaki Kobayashi
1
,
Hirokazu Niitani
1
1昭和大学医学部・第3内科
pp.46-47
発行日 1983年1月10日
Published Date 1983/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218106
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急性心筋梗塞(以下AMI)は死亡率30〜40%,とくに発症後1〜2時間以内死亡が全死亡例の50%前後をしめ,きわめて重篤な疾患であり,その大部分が心室細動,心室停止などの致死性不整脈,心原性ショックによるものとされている.そのため病院前の救急処置の重要さはもちろんのこととして,本疾患を集中的に扱う施設の必要性が生じ,CCUの開設,発展があった、結果は不整脈死40〜50%から10%以下と著しい減少をみているが,その反面相対的に心不全,ショックなどのポンプ失調死が増加し,現在CCUの主な治療対象となっている.
これらに対して近年は,Swan-Ganzカテーテル導入による血行動態把握が可能となり,血管拡張薬,カテコールアミンなどの適切な使用,さらにはIABP(大動脈内バルーンパンピング法)による補助循環療法,緊急A-Cバイパス,中隔穿孔閉鎖術などの外科治療が行われている.最近では,梗塞範囲縮小の目的で亜硝酸剤,血栓溶解剤の急性期冠動脈内直接注入が行われ,それなりの効果をあげつつある.以下筆者らのCCUの成績をもとに,急性期AMIの経過および予後について述べる.
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