Japanese
English
特集 心疾患のリハビリテーションⅠ
狭心症のリハビリテーション
Rehabilitation of Angina Pectoris.
長谷川 武志
1
,
新村 与平
1
,
内島 弘
1
,
林 正博
1
,
藤田 良範
1
,
新谷 博一
1
Takeshi Hasegawa
1
,
Yohei Shinmura
1
,
Hiromu Uchijima
1
,
Masahiro Hayashi
1
,
Yoshinoi Fujita
1
,
Hirokazu Niitani
1
1昭和大学医学部第三内科
13rd. Dept. of Int. Med., Showa University, School of Medicine.
キーワード:
狭心症
,
負荷心電図
Keyword:
狭心症
,
負荷心電図
pp.11-17
発行日 1977年1月10日
Published Date 1977/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103724
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はじめに
狭心症は約200年前イギリスのHeberdenにょってはじめて記載されたが,そのうちには今日の心筋硬塞症も含まれていた.その後今世紀はじめに急性心筋硬塞症の概念が確立し,狭心症とはっきりわけて用いられるようになった.一方,狭心症は一つの症候群として,冠状動脈硬化症をはじめ,高血圧症,大動脈弁口狭窄症,大動弁閉鎖不全症などの心疾患において冠不全,すなわち心筋における酸素の需要と供給の不均衡によって出現する短時間の胸痛ないし胸部圧迫感の発作を意味して使われるようになった.すなわち,いわば狭心症症候群ともいうべき概念として用いられることが多かった.しかし近年,単に狭心症というと,その基礎疾患としてもっとも多い冠状動脈硬化症による狭心症を意味して用いられることが多く,この場合は一つの病名ないし冠状動脈疾患の1病型として用いられている.本稿における狭心症についても,この冠状動脈硬化症を原因とする狭心症として述べる.
運動負荷療法が冠状動脈硬化性心疾患の予防や治療に役立つことは,古くから知られており,近年その重要性が認識されている.しかし,冠状動脈疾患のリハビリテーションについては,主として心筋硬塞のリハビリテーションについての報告が多く,狭心症についてのリハビリテーション,とくに具体的なリハビリテーションプログラムなどに関係した報告は少ないようである.本稿では,主に運動療法による狭心症のリハビリテーションの意義および実施法について述べる.
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