Japanese
English
特集 肺機能検査の新しいガイドライン—手技と装置(1)
呼吸調節
Control of breathing
川上 義和
1
,
山本 宏司
1
Yoshikazu Kawakami
1
,
Hiroshi Yamamoto
1
1北海道大学医学部第一内科
1The First Department of Internal Medicine, Hokkaido University School of Medicine
pp.35-42
発行日 1986年1月15日
Published Date 1986/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204802
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はじめに
呼吸は意識的あるいは無意識的に神経性および体液性の因子によって調節されている(Fig.1)1,2)。これらの中で,最も基本的な調節系はO2あるいはCO2の変化に対して応答する化学調節系chemical controlである。他方,精神身体活動あるいは呼吸運動の変化に伴って生ずる肺内あるいは胸郭内の機械的受容器mechanorecep—torの変化を高位中枢が自覚することによって脳幹の自動調節中枢の活動を修飾する調節系は行動調節系beha—vioral controlと呼ばれている。さらに,受容器から呼吸中枢までを神経経路のみを介した調節系は神経調節neural controlと言われている。これらの調節系によって換気のレベルを変化して動脈血O2,CO2分圧およびpHの恒常性を保っている。しかも,これらの調節系は全て呼吸中枢へ連絡しているので,1つの調節系の活動の変化は呼吸中枢のレベルの変化を介して他の調節系の活動に影響を与える。したがって,1つの調節系の刺激とそれに対する応答のみを純粋に定量化することは必ずしも容易ではない。本論文では.現在臨床的に行なわれている化学および行動調節系の検査法の手技および装置について述べる。
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