Japanese
English
特集 Elastic loadと息切れ
吸気抵抗負荷と息切れ
Inspiratory resistive load detection and breathlessness
吉川 隆志
1
,
山本 宏司
1
,
志田 晃
1
,
川上 義和
1
Takashi Yoshikawa
1
,
Hiroshi Yamamoto
1
,
Akira Shida
1
,
Yoshikazu Kawakami
1
1北海道大学医学部第1内科
1First Department of Medicine, School of Medicine, Hokkaido University
pp.873-879
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204071
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心肺系の障害をもつ患者では,しばしば呼吸困難ないし息切れを訴える。呼吸困難は痛みのように主観的なもので,その程度,持続時間などは患者自身によってのみ自覚される。呼吸困難がいかなる機序により生ずるかについては,古くからLength-tension説1),血液化学成分(PO2,PCO2,pHなど)の変動に由来するという説,肺循環障害説2),横隔膜疲労説3)など多種多様の因子が考えられてきたが’諸説の多くは推測の域を脱していない。さらに,呼吸困難の程度を客観的に評価する目的で,種々の呼吸生理学的指標と対比されてきたが,必ずしも呼吸困難の程度とは一致せず4),ごく軽症であるにも拘わらず呼吸困難を強く訴える患者に遭遇する機会も多い。
安静呼吸時,回路中に粘性または弾性抵抗を負荷し,被検者がどの程度抵抗を自覚するかについての検討は,被検者の自覚にもとづく精神身体的手法を用いるため,呼吸困難などの自覚症の機序を解明する上で有用な検査法と思われる。
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