Japanese
English
特集 呼吸器疾患の診断のロジック
呼吸調節
Control of breathing
鈴木 章彦
1
,
川上 義和
1
Akihiko Suzuki
1
,
Yoshikazu Kawakami
1
1北海道大学医学部第一内科
1First Department of Medicine, Hokkaido University School of Medicine
pp.951-959
発行日 1987年9月15日
Published Date 1987/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205118
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呼吸は,絶え間なく続く酸素消費と炭酸ガス産生の中で,動的な安定を保っている。それは,決して恒常状態ではなく,種々の状況や置かれた環境の変化に伴い代謝率は刻々変化し,また,呼吸器疾患の存在は呼吸器の効率を大きく変化させる。それにもかかわらず,動脈血のガス分圧が驚くほど一定に保たれるのは,呼吸調節系という強力なfeedback systemが働いているからである1)。したがって,呼吸調節の異常は,それ自体で血液ガスの異常を引き起こし,また,代償機能の低下により,他の呼吸器疾患による血液ガス異常が起こりやすくなる2)。
ヒトでは,動脈血の炭酸ガス分圧の増加は,主として延髄腹側の中枢化学受容野を介し,低酸素は,頸動脈体にある末梢化学受容器を介して,それぞれ呼吸中枢に求心性刺激を送る(呼吸の化学調節)。
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