呼と循ゼミナール
呼吸調節(2)—Endorphines
川上 義和
1
1北海道大学医学部第一内科
pp.440
発行日 1984年5月15日
Published Date 1984/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204436
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Endorphinesは脳,脊髄,神経に存在する麻薬類似物質の一つで,α,β,γの三種類あるがβが最も強力である。はじめ痛みに関連して注目された物質であるが,呼吸,循環,消化など重要な生理機能に関連することが次第に明らかになってきた。脳ではamygdalaやpcri—aqueductの灰白質,脊髄ではsubstantia gelatinosa,脳神経では迷走神経に高濃度に分布している。迷走神経や舌咽神経からの求心路を受入れるn.solitariusにも分布し,またarea postremaにも高濃度なことから、coughreflexや化学感受性など呼吸生理にも関連するものと推定される。
Endorphinesの受容器はnaloxoneなどでブロックされるので臨床実験が可能で,最近呼吸疾患の分野でも興味ある事実が報告されはじめた。
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