Japanese
English
特集 呼吸の制御
上気道の神経調節と睡眠・麻酔の問題
Control of upper airway function during sleep and anesthesia
西野 卓
1
Takashi Nishino
1
1千葉大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology, School of Medicine, Chiba University
pp.449-455
発行日 1984年5月15日
Published Date 1984/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204438
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鼻腔,咽頭,喉頭などのいわゆる上気道は,極めて複雑な運動を支える筋群によって支持されている。これらの筋群の一部は呼吸補助筋として働き,呼吸性の律動的収縮により上気道の内径を変化させ,呼吸抵抗を微妙に調節する機能を持ち合わせている。さらに上気道には,上気道粘膜に加えられた化学的あるいは機械的刺激に対して種々の反射を誘発し,肺内部への異物侵入を防ぐという防波堤のような機能をも持ち合わせている。このように上気道は肺と外気を結ぶ単純な導管ではなく,極めて高度な機能を持つ器官として位置づけられるべきである。本稿では呼吸の制御という観点から,上気道の機能の神経調節と睡眠,麻酔の問題について考察する。
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