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I.覚醒と睡眠
覚醒と睡眠とは裏腹の関係にある。そして,どちらも積極的な神経機構が関与している。
1935年Bremer2)はネコ脳幹を上位で切断して脳波が徐波化することを示したが,その後,中脳網様体や視床下部後部の刺激でいわゆる脳波覚醒が得られることが明らかとなった23)。一方,睡眠に関しても同様に前脳基底部や縫線の破壊で睡眠が抑えられる8,28)。つまり覚醒が続く。このことはまた,睡眠は覚醒を抑えることであることをも意味していると思われる。ところが,上記の実験結果はすべて1週間までの急性期におけるもので,その後の慢性実験で睡眠,覚醒ともすべて回復してくることが示された。今までの実験結果をすべてつなぎ合わせると結局,皮質下のほとんどの構造が覚醒・睡眠の神経機構に関係していることが分かってきた。
A hypothesis is presented that the wakefulness is controlled both by classical pathway based on the ascending reticular activating system (Moruzzi and Magoun 1949) and by alternative pathway constitut-ing the forebrain controling system in sleep-waking cycle. Although the sleep probably results from the suppression of waking, it is generated and maintained by active neural and humoral mechanisms. Therefore the lesion of some parts of the brain including the basal forebrain or the raphe nuclei could induce the important decrease of sleep.
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