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特集 呼吸調節—最近の話題
上気道反射と呼吸化学調節系の相互作用
Interaction of upper airway reflexes and chemical respiratory control system
西野 卓
1
Takashi Nishino
1
1国立がんセンター病院麻酔科
1Department of Anesthesiology National Cancer Center Hospital
pp.501-508
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205055
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はじめに
気道を含む呼吸器系の最も重要な機能は外界から生体内に酸素を取り入れ,生体内から外界に炭酸ガスを排出させる換気機能である。このような呼吸器系の機能を維持するために呼吸器系は神経性調節と化学性調節による種々な反射調節を受けている。神経性調節は純粋な神経経路のみからなる反射弓により,その調節が瞬時に行われる特徴を持ち,上気道反射はその代表的なものである。一方,化学調節では血液中の呼吸化学調節因子であるpH,PCO2,およびPO2の変化を感受する化学受容器を介して,換気レベルが調節されている。それでは呼吸化学調節因子が変化して換気レベルが変化した場合に上気道反射はどのような影響を受けるのであろうか?また逆に上気道反射が出現することによって呼吸化学調節系は影響を受けるのであろうか?上気道反射および呼吸化学調節系の反射が共に延髄の呼吸中枢を中心とした反射であることを考えれば,両者が互いに相互作用を持つことは容易に想像できる。
本稿では我々がこれまで行ってきた研究の結果を中心に,上気道反射と呼吸化学調節系との相互作用について述べたい。
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