Japanese
English
特集 ARDSの発生・進行要因
ARDSの肺線維化過程
Factors related to fibrotic changes of the lung in ARDS
本宮 雅吉
1
,
荒井 秀夫
1
,
今野 淳
1
Masakichi Motomiya
1
,
Hideo Arai
1
,
Kiyoshi Konno
1
1東北大学抗酸菌病研究所内科
1Dept. of Int.Med.,The Research Institute for Tuberculosis and Cancer, Tohoku Univ.
pp.967-972
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204296
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成人呼吸促迫症候群(adult respiratory distress synd—rome=ARDS)は,ショック,外傷,ウイルス肺炎,薬物中毒などが原因となって起こる重篤な呼吸不全を呈する症候群であり,症状が小児呼吸促迫症候群(Infantrespiratory distress syndrome=IRDS)に似ていることが,このような名称の所以である1〜3)。一方,内科領域のARDSの代表として,パラコート中毒肺があげられている。ARDSは,単一の病因で起こる症候群ではないので,ARDSについて記述する場合は基礎として形態学的所見をとりあげるのが最も合理的であろう。また,パラコート中毒では速かに進行する肺の線維化も観察されているので,本稿では,先ずARDSの形態学について総論的に諸家の記載を紹介し,ARDSの例としてfree radicalの関与する酸素中毒,パラコート中毒について述べ,次に線維化との関連を論ずる前提として,総論的線維化肺の形態学,パラコート線維肺の形態学,生理学,生化学的知見について記載し,最後にARDS肺と線維化肺との比較,線維化防止の可能性,生化学的にみた線維化の過程,免疫との関連などについて述べることとする。
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