呼と循ゼミナール
右心負荷とその周辺(3)—非侵襲的診断法(その3)
半田 俊之介
1
1慶応義塾大学医学部内科
pp.408
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204212
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心プールスキャンは,一般にfirst pass法およびequilibrium法が用いられ,心血管系の動態について種種の情報が得られる。ここでは右室負荷の程度を推測する手段として,最近注目されている右室駆出率(RVEF)について述べる。
すでに良く知られるように駆出率(EF)はEF=(EDV-ESV)/EDV,あるいは,SV/EDVである。元来,心収縮性を表わす指標の一つとされるが,理論的にはポンプとしての心臓の4因子,心拍数,前負荷,後負荷および心収縮性のいずれが変っても変動する。いいかえれば,これら因子のうちのいずれか三者が固定,あるいはほとんど変らないと仮定するなら残った一因子のみの動きを知ることができよう。たとえば左室の場合臨床の場で頻度の最も高い虚血性心疾患をとり上げると,心拍数,血圧および心拍出量はほぼ一定範囲に管理されていることが多く,心収縮性の目安として広く用いられている。
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