呼と循ゼミナール
右心負荷とその周辺(1)—非侵襲的診断法
半田 俊之介
1
1慶応義塾大学医学部内科呼吸循環科
pp.58
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204152
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循環器に興味をもつ大方の医師達にとって心臓とは左心であり,右心はあまり重要性のない附属部分にすぎない。しかし右心系の異常が重大な問題となる一群の疾患があることも事実である。左心の理解をそのまま単純に右心にあてはめることはできない。このシリーズでは以上の観点から,右心負荷をその周辺の話題,今後解決すべき問題について言及したい。
右心負荷の評価は左心負荷の診断のように容易ではない。たとえば高血圧症において体血圧を測定するように,非観血的に肺動脈圧を簡単に知ることができれば肺高血圧症の患者の管理治療上,有用なことはいうまでもない。症状,理学的徴候の他に従来広く利用されてきた診断の方法は,胸部レ線写真,心電図,心音図,およびMモード心エコー図である。小児科領域の心疾患は別として,通常,内科でみる右室負荷疾患を対象として,これらの検査法の信頼性を検討してみた。圧負荷群では胸部レ線写真(正面および側面)のsensitivity 85%,Speci—ficity 88%心電図の74%,100%,心音図の65%,100%,Mモード心エコー図の67%,—,であった。容量負荷群では胸部レ線写真のsensitivity 95%,心電図の59%,Mモード心エコー図100%であった。
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