呼と循ゼミナール
右心負荷とその周辺(4)—右心負荷とは
半田 俊之介
1
1慶応義塾大学医学部内科
pp.548
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204231
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前3回にわたり,右心負荷の臨床に用いられる非侵襲的評価法について最近の知見を中心に述べてきた。ここではこれまではっきりとは定義しないで用いてきた右心負荷という術語の概念を改めて整理しておきたい。
臨床例では,一般に病態の理解が容易になることから,心負荷の区分に好んで.圧負荷,容量負荷の二者の表現が用いられる。いうまでもなく,右心の圧負荷は,僧帽弁膜症,原発性肺高血圧症,肺動脈弁口狭窄症などに代表され,容量負荷の典型は左右シャントを有する二次孔型心房中隔欠損症である。しかし両負荷の混在した疾患も多く,肺気腫など血液ガス異常を伴う肺性心,圧負荷による右室拡大が三尖弁逆流を招いた症例を,日常経験する。
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