呼と循ゼミナール
呼吸生理研究と臨床(9)—肺血流の層状不均等
太田 保世
1
1東海大学医学部生理学
pp.308
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203033
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肺内気相におけるガスのseriesの濃度勾配,すなわち層状不均等stratified inhomogeneityと同時に,肺血流の,それもいわゆるrespiratory zoneにおける血流分布のあり方は,換気・血流比分布を考える場合,ガス輸送の効率を考える場合に重要である。
終末細気管支より末梢のsecondary lobuleの構造は,数次にわたり分枝した呼吸細気管支と肺胞管および肺胞嚢であるが,多くの呼吸細気管支および肺胞管の壁は肺胞化alveolatedされたものと考えるべきものであるらしい。J. Readの2つの論文(1966)は,このような肺の構造単位において,吸気の分布がseriesの濃度勾配,すなわちstratificationを作ること,同時に血流もdistalになるにつれ減少することを,Ar,O2,N2の混合ガス1回吸入後の呼気ガス分析の成績の解析によって示唆している。
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